日常の中で見つけた初音ミク。
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息子がずべしゃーってこけたとかで、ほっぺたと鼻をすりむいて赤くなっている。
ずいぶん泣いたということだけど、自分に置き換えてみて、今現在あれくらい顔面をすりむいてコケたとして泣かない自信が無い。いや別に涙は出ないだろうけど、気持ち的には号泣だと思う。泣いても別に何も変わらないし、声を出しても仕方ないことを知っているから泣かないけど、気持ちは号泣。
一番最近で酷くコケた記憶って、もう十年以上前で専門学校に通っていたころだと思う。アスファルトの壊れてるところに足を取られて膝を痛打したのだけど、もう本当に痛くて立てなくて、地面に突っ伏したまま「うぉおお」とか叫んで何回も拳を地面にたたきつけてたけど、あれも涙は出てないけど気持ち的には泣いてた。泣いてて母親が来て抱き上げて家に連れ帰ってくれるなら間違いなく泣いてた。外出先だったので、母親が来るわけもないので、足を引きずって帰った。
あんまり強さも、性格も子供の頃から変わらない。
せいぜい無駄なことをしなくなるくらいだ。
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息子の手は自分の手にそっくりだ。
握ってると自分の反対側の手を触っているときみたいな感じがする。でも小さくて、感覚は無いし、とても奇妙な感じがする。父の手を思い出す感じもある、つまり私の手は父の手に似ているのだろう。
何かすこしどきどきする。