なんとなくこうと思ったから、その方が良さそうだったから。広い範囲を塗るのがめんどうくさかったから。 手元に筆ペンしかなかったから。
私が描いた初音ミクはこんな感じ。
でも今まで描いた初音ミクのなかで一番お気に入り。
私だけの初音ミクを作ろう、というごく矛盾したイメージが最近あって、うまいことやろうと思っているうちに何となく手が重くなりはじめていた。たいてい私は物を作るときに、誰かが見て楽しいかどうかということをすごく考えるのだけど、そちらに行きすぎるとやがて作るのをやめてしまう。
誰かが見て楽しい物を作ろうと思うのはたぶん間違いじゃないんだろう。でもそういうのが、強く自分を縛っていって、失敗が怖くなってくる。なんせやらなきゃいけないことも守らなければいけないことも、山のようにありすぎて、一本橋を目隠しで歩いているみたいな気がする。
誰かを楽しませたいと思っていただけなのに、誰かを楽しませられないということが怖くなり始めたら 、ちょっとまずい方向に向かっているのだと思う。
自分でそう自覚していなくても、何となく物が作れなくなったり、億劫になってきたときは、きっとそういうことのせいなのだと私は考える。そうしてより単純で、より思いのままに、誰にも望まれないような物作りをしようと思う。
丸くした粘土に、爪楊枝を二本さしただけでも、自分がそれを初音ミクだと思ったら初音ミクだ。
そういうわけで、特に書くことを思いつかない日は、自分が初音ミクである、と思ったものを書いたり作ったりしてみようかなと思う。簡単に言うと、上述のような韜晦を元にして、適当に作ったものを初音ミクだと言い張るという企画です。
いっぱいできたら動画にして上げる。
それすら面倒くさくなったら稲穂の掛け干しを写真で撮って、これはもしかして初音ミクでは? とか言い出すつもり。