今の家庭用ゲームが売られる前に、電子ゲームというものが流行った時代があった。ゲームウォッチなんか有名だが、つまりはごくごく単純なスコアゲームができるだけの小さな端末で、現在から考えると信じられないくらいに簡単なものであったのだけど、それがあちこちの会社が参入するくらいざっくざっく売れていたらしい。
らしい、というのは、私はリアルタイムな世代ではないからだ。私が物心ついた頃には、ゲーム機というものはファミコンのことを指していた。もっともそれでもその時代にはまだ、年上の兄弟の居る家では電子ゲームを見かけることもあり、持ち運べるピコピコ言うそれは、魅力的に映っていた。
だからこの電子ゲームなつかしブックを読んでも、私は郷愁や懐かしさといった感情を覚えるわけではない。ただただ、単機能なゲーム機が愛おしいという気持ちで眺めていた。どれもこれも欲しい。欲しいものは作るしか無い精神で言うと、自分の作るべきものはこういう単機能なゲーム機械なのではないかと思った。
ちなみに単機能なゲーム機以外にも初期のゲームコンソールなんかも載っていて、コレコのテルスターアーケードなんかも激烈に可愛い。
なんだこれ最高かよ。
*
コアマガジン (2016-09-29)
売り上げランキング: 560