ただ、私は、変に奥まっていてたどり着けない(実際に出前や宅配便が迷って電話してくる)立地も、あきらかに最初は家の外にあった風呂便所の上に、無理矢理屋根を付けて作った二階や(そのせいですこし傾いてる)、壁に残った何か貼っていたのであろうセロハンテープのあとだとか、そこにかつて居た誰かを強く感じさせる佇まいを、ひと目見て気に入ってしまった。
▲階段。超急(子供は這って登る) |
▲風呂。なぜかプレートつき。 |
私は迷うことなくこの家を契約して、それ以来数年ここに住んでいる。ちなみに住んでみるとボロさに嫌になるとかそういうこともなく、ずっと気に入っている。ここが好きだ。
映像研には手を出すな! をAmazonでパラっと1ページ目だけ見て買おうと思ったのは、つまりそういうことだ。変わったダンジョンのような学校とか、誰かが間違いなく住んでいたであろう家の姿なんかには、物語の存在感がある。私が家を選んだのと同じような感覚で、学校を選んだという浅草氏に強い共感を覚えた。こんな人物の出て来る漫画が面白くないわけがないと思った。
はたして、映像研には手をだすな! は非常に良い漫画だった。世界は物語に満ちている。そこにも、ここにも。
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小学館 (2017-01-27)
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