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2015年9月21日月曜日

ゆるやかで心地よいパズル/Mini Metroレビュー

特に何も考えなくて良いような、パズル的なものをやりたい時ってもんがある。考えないのにパズルというのは矛盾しているように見えるが、たとえばナンプレ(数独)でも、ピクロスでも、作業のような単純なルールを状況に当てはめているだけで、慣れればごく無意識に近い。あれは環境音のCDみたいな、ほかのことを考えることを遮るためのノイズのようなものだ。ただナンプレじゃ延々夢中になって時間を忘れるには、やや味気ない。思考の強度的にも割と集中しないと堂々巡りになったりしてしまう。


Mini Metroはそんなときにばっちしの単純かつハマり度の高いパズルゲームだ。
ゲームルールは簡単で、マップ内に次々と記号の駅が発生していき、駅には他の記号の駅に向かいたい乗客が発生していく。プレイヤーは乗客を待たせることなく、駅と駅を接続するだけだ。

ゲームを始めると、ほとんどルールが語られることもなく操作するままに任されるので、最初のうちはどのようにすべきかもなかなか良くわからないのだけど、それがまたいい。ランダムで駅や乗客が出てくるため、かっちりした正解があるというよりは、アドリブ力任せで、プレイヤーごとの解法があり、プレイごとに手触りが変わる楽しさがある。

たとえば最初にぐるりと円形に線路を作成して、その後円の中や外に駅が増えていったので、円周の路線の車両の数を増やして環状線にして、それ以外の路線は環状線と交差するような構成にしたり、珍しい記号の駅(記号の発生率はあきらかに偏りがある)を中央にして乗換駅(乗客が待機できる期間が伸びる効果がある)としてみたり、狙った構成が上手く効果を上げると楽しいし、出来上がった路線図を見るのも楽しい。


他のことを考えるには、次々と状況が変わっていくし、かといって忙しいと感じるほどのものではない(というか線路の敷設とか組み直し時にはポーズもできる)。なので、時間を忘れて延々プレイすることができる。また1プレイ自体は、割とすぐにゲームオーバーになるため、そこでやめようと思えば中断することも難しくない。

ちなみに個人的な現状での攻略のポイントは、何駅も単線だけでしか行けないというような状況を出来る限り避けるということだ。2,3駅くらいなら良いが、それ以上先に孤立している駅とかがあるとそういうところがやがて破綻の原因になる。また車両数を増やすとか、乗換駅を作るというのも一時的な解決策にはなるが、根本的には路線をいかに構成するかというゲームだという気がする。

派手なゲームではないけど、良いゲームだなーという感じがする作品だ。