どの作品も面白いけど、ペーター・キュルテンの記録が面白い。たまたまちょっと前にハンターハンターを古本で買い直して読んでいたのだけど、何度も繰り返し出てくるテーマとして、「仲間のことは思っているのに、なぜそれ以外の人間にはそんなに酷いことができるのか」というような話が出てくる。実在の人物であるペーター・キュルテンもまさにそんな人間で、妻のことは愛してとても大事にしていたのに、たくさんの人間をゴミのように殺し、犯し、家に火をつける。
そのことがなぜかということについて、結論というのはこの話の中にはたぶん無いのだけど、たとえどれほど酷い悪魔のような殺人鬼でも、普通に人を愛するような部分があり、人というのはそういう複雑な部分がある、陳腐な言い方をすればそういうことなのだろうと思う。
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冨樫 義博
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