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2015年9月21日月曜日

無駄な上達と固執/Cook, Serve, Delicious!(2)

自分が何かをうまくなるとかそういうことが、たとえば海外のRPGみたいにスキルポイントに限界があって、つまりは有限のリソースなのだとしたら、私はもう、それはそれは無駄なことにそのスキルポイントを使ってしまっていて、すげー使えないキャラクターになっている自信がある。
もう現在ですらそうなのだから、もっと真面目に勉強とか技術の習得とかに専念すりゃ良いのだろうけど、まあゲームばっかりしている。世のまともなプログラマの人は家ですげー勉強とかするらしいが、私のような専門卒の四流プログラマはそんなことしないし、だいたい定時で帰っているし、それでも飯が食えるので本当にプログラマになって超良かったなと思っている。好きなパソコンの前に座って、好きなプログラム書いて、好きな技術調べたりできるんだから最高である。これが肉屋で働いていた頃とか、特に好きではない肉の機械(重いし刃とかついてて危ない)を分解して洗ったり、毎日床のダンボールを剥がして新しいのを貼り直したり、一日中店頭に立って申し付けられる肉を計量しつづけたりとか、たいそう辛かった。人生は苦しみであった。

もっともそういう単純作業を懐かしく思う気持ちがどこかにあるのか、延々料理を給仕し続けるゲームをやっているわけで、我がレストランはついに5つ星になったのであった。


現在、ゲーム内で100日目、プレイ時間は20時間を超えている。こんな単純なゲームそんなに夢中になってやるもんじゃない気がするが、なんというか、微妙にバランスが良くてついついハマってしまっている。5つ星になれば、とりあえずやめられるかなと思っていたが、驚くべきことにまだ先があるようで、Hungly Festivities Tournamentという一回でもミスったら終わりで、お題の料理のバリエーション(料理によるが十以上あったりする)を延々作り続けるというイベントを全部クリアしなければならないらしい。

このイベントは結構地獄で、まだ2ステージ目の破滅のピザをクリアしたところだが、すでに先行きが不安だ。1プレイ平均20ピザくらい焼いたはずで、200回くらいはプレイしたと思うので、4000枚くらい焼いてやっとのことでクリアしたが、このゲーム中最強のレシピのややっこしさを誇るスープとか出てきたらクリアできる気がしない。


たとえばこのスープのレシピの場合、Bowtie Noodles(日本ではファルファッレとかいうリボン状のパスタ)(左スティック↓)、Bouillon Cubes(ブイヨン)(左スティック←)、Seasoning(香辛料?)(X)、



トマト3つ(LT+左スティック↑の状態でRTx3)、人参3つ(LT+左スティック→の状態でRTx3)、セロリ3つ(LT+左スティック↓の状態でRTx3)で下ごしらえして、煮込めばできあがりである。
で、こういうのが10以上のパターンで入れるものが変わるので、制限時間内に作らなければならない。ちなみに操作の取り消しは不可なので、たとえば上記のような操作x32個を一度も間違えることなく入力すればクリアというわけだ。

こんなものを延々やる理由はあるか、と言われると全く無いが、それでもついついやってしまい上達してしまうところに自分の本日のスキルポイントの枯渇があるのだろうなと思ったりする。こんなことでも延々やってれば当然向上していくだけで、ピザのステージをクリアしたときなんて後半は頭がぼんやりして、英語で書いてあるレシピをなんとなく読むままに手が自動で動いていくような感覚すらあった。自分のイメージの範囲を超えて自分が動いているというのは快感である。
色々な分野で、いくつか経験があるが、最初のうちは「こんな一瞬で何かを判断し動作するのは無理だ」とか思ったりするが、何度も何度も同じ動作を繰り返すと、そのうち体が勝手に定形動作をしてくれるので頭は他のことを考えるようになったりする。そういうのは楽しい。

もとより、何かをうまくなるということは娯楽なのだと思う。
肉屋でも週に6日もシフトを組まれて、土日は朝から晩まで働いていて、遊ぶ時間がなくて本当にやめたくて仕方がなかったが、働くことそのものは嫌いではなかった。私はグラム100円の安肉を試食で美味しく焼けるようになったし、チーフの指示を聞きながら適切なラベルを肉に貼りつつトレーにパックすることができるようになった。
それは明らかに楽しかったなと思う。もっともそんなことを朝も晩もなく延々やるもんではないので、ゲームとしてやってりゃ十分であろう。