長男はくしゃっと笑う。目が合うと、鼻筋にシワを寄せて、くしゃっと歯を剥いて笑う。次男もゼロ歳児にしてこれをやる。歯はないけど。微笑とか、はにかみではなく、笑うとは本来攻撃的なものであり獣が牙を剥く行為である、とかいうやつだ。
私は元来仏頂面で、あまり協調性とかコミュニケーションスキルとか持たずに、割とそういうものに苦労して生きてきたので、子供たちはともかく最低限、にこやかで出来る限りコミュニケーションに苦労しなければ良いなあと思って、目が合うと無理矢理にでも笑って見せるようにしたら、息子たちはみんな自分と同じような笑みを見せるようになった。
言葉より先に、表情によるコミュニケーションみたいなもんがあるのだなと思う。まだ全然しゃべれない次男がまじまじ私の顔を見てから、くしゃっと笑って見せると、「よう」と言われたような感じがして、また自分も笑う。ちょっとは何かが通じている気がする。