作業場に筆洗いと絵の具が置きっ放しになっているせいで延々絵を描いている。筆洗いの水を捨てても、乾かすのが面倒でそのまま水を入れ替えて作業場に持ち帰るので終わらない。書き終えたらすぐに次の準備ができてる。
どかどか絵の具がなくなる。
絵自体は小学生の頃から描いているが、こんなに熱心に毎日毎日絵の具を使っていたことはないかなと思う。高校時代は美術部で油絵なども描いたが、惰性でやっているだけだった。子供の頃、母は私が絵を描くことに何かしらの期待を持っていたのか、何度か美術館に連れて行ったりしてくれた。その頃から、これくらい真面目にやってれば、もっと喜んでくれたかもなと思ったりする。
その頃にさほど熱心でなかった理由というのは、その美術館に連れて行ってもらったことでも明白で、私は特に人の絵というものに関心がなかった。なんとなく絵を描いていたが、その美しさに胸を打たれたとかいうようなことが、美術館で有名な作品を見た時ですら、全く無かった。
美的センスというものが無かったのだろう。
もっとも、今でもそこまでまともに審美眼のようなものが育ったかと言えば、子供の頃よりはマシになったというような程度だ。絵の素晴らしさに涙するということもない。せいぜい私の美術や工芸に対する感覚は「あれ超欲しいな」というような感覚でしか表出しない。
とはいえ、それでもないよりはマシであって、自分は自分の欲しいものを描くことができるので、日々絵を描いている。どんどん欲しい物が手に入る。嬉しい。
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ターナー色彩
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