もともと卒業制作であり、またブログのネタとしてやっていたことで、そんなに本気度の高いものではなくて、たとえばデイリーポータルみたいな感じに作られていると考えた方が良い。そんなわけで、鉄の精錬には失敗するし、そのうえ電子レンジを使って精錬をやり直そうとする。
その後もほぼ大半の工程を失敗しては、現在の廃棄物を使うのは鉱脈みたいなもんだしOKでは? 的なことを言い出して進めていくのだが、もうそれなら鉄鉱石がどうとか言わずに、普通に店で買えるものだけでトースター作ってみました、でも全然良いんじゃないかと思うのだけど、とりあえずそのまま進みゴミ的なものを作り上げて話は終わる。
私はゴミ的なものを作るのも、人がゴミ的なものを作っているのも大変好きだし、この本も内容的にやや薄いなとは思うが結構楽しんだ。とはいえ、純粋に技術的な興味よりは、経済や環境的な部分への問題提起的なものが多くてその辺は興味を惹かれなかった。というか、私の印象ではデイリーポータルのノリで書かれた製作記事の最後がいきなりフェアトレードだのエコロジーだので締められるような印象で、正直なところ、すげー学校のレポートっぽい、という感じである。
「地球を大切にしなきゃならないと思いました、まる」という感じ。
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トーマス トウェイツ
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