全共闘以後は600ページ超というボリュームながら、筆者の優れた文章力とユーモアで、小説を読むようにするりと読めた。また構成としても、冷静かつ分かりやすく全体の状況を述べているパートと、外山恒一本人とその周辺についての自伝的な部分とでコントラストというか、手触りの違いがあって、それがまた飽きずに読める要因になっている。
外山恒一というのは、世間的には都知事選の演説のことばかり記憶されているようだけど、個人的にはWeb上で読める氏の著述を見てからは、その文章力と知性がもっと世に広く知られるべきだと思っていたので、こういう本が出たというのは、大変素晴らしいことだと思う。
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イースト・プレス (2019-01-17)
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