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2019年1月15日火曜日

モックをいっぱい作って出さない

仕事ではかなり作業が早い人間である。知能や技術力では人より優れたところがあるわけではなくても、その生産力という武器があるおかげで、なんとか食ってこられたと言っても過言ではない。プログラムだろうが、発表資料だろうが、マニュアルだろうが、手順書だろうが、とにかくさっさと仕上がる。指摘事項があればすぐに直す。

趣味では、全然生産力が足りない。たまに思い出したように毎日作ったりするけど、普段は全然作れない。これは本当に自分を十数年という単位で苦しめてきた問題で、別に、時間がそんなにもないとか、疲れ果てているとか、憂鬱でやる気がないとか、ネタが完全に切れているとか、そういうこともないのに、漠然と作れない。
原因がはっきりしないので、根本的に解決できたことはない。
たいていの場合、何もできていないと思ったら、クオリティを下げてでも出そうと考えることで、なんとかやってきた。しかしその効き目も一時的なものだ。いつの間にかまた作れない時期が来る。
たとえば風邪を引いたとか、そういうちょっとタイミングを狂わされるようなことがあってさっぱり作り方がわからなくなる。動画を取るとか自分がやっていたということが信じられないくらいさっぱりわからなくなる。
これは驚くべきことに、仕事とまったく同じプログラムですら、趣味だと進まなくなる。簡単にそうなる。毎日毎日やっていて、多少周りがうるさかろうが、割り込みが入ろうが、仕事ではどんどん進むようなあのプログラムが、家では進まない。

もちろん家では金が貰えないというのはあるし、仕事場では強制的に仕事をやらされるということはあるとは思う。しかし別に会社にいるときだって、そんなに強く、これを書いたら金がもらえるぜ! と思ってるわけじゃないし、ぼんやりしていたって何を言われる訳でもない自由な職場なので、強制力が強いわけでもない。

では何が違うのか、と考えると、そもそも仕事で働いているときは、自分は取り掛かるのがなにより早い気がする。考えがまとまるより早く手を動かして文章やプログラムを書き始めているし、ちゃんと考えるのはそれで具体的な検討事項にあたったときか、どうしてもうまくいかないとき、それから出来上がったあとだ。私はたいていのものを作って出来上がったものを見て検討しようと考えていて、だから考えるより先に作り出すという習性がある。もちろんそのために手戻りが発生するので、出来る限り業務を早く進める必要があり、結果としてやたらと早くあれこれを仕上げられるようになったのではないか。

反対に、遅い趣味のあれこれの場合、自分は出来上がりを見て検討していない。
というか、自分の生産力が趣味において非常に低いということが大変気になっているので、多少出来が悪くても出していこうという気持ちがあるために、出来上がり=公開みたいな状態があり、そのため逆に作っている最中や作り出す前に非常に大きく悩む。作り始めたら公開が待っているのだから、ちゃんと作らないとだめだと感じてしまう。これは悪循環だと思う。

思うに、モックを作る、モックを作ってから考えてみる、ということを趣味でも習慣化してみるべきなのかもしれない。この文章でも実際最初から最後まで一気に書いていて、結構今現在消耗している感じもあり、この疲れた感が次へのやる気を奪っているんじゃないかという気もある。本当は、思いついたことを何ワードか書いて、適当にインデックスみたいなものを書いておいて、作り上げた気持ちになって、あとから埋めたほうが楽に良いものを作れたかもしれない。

そういうわけで、人に見せるわけではない、本当に適当にざっくり作ったものを、ひとまず作っていこうかなと考えている。それはたぶん全く完成品には利用できないくらいに離れたものでもよくて、1時間以内くらいでひとまずできちゃう、みたいなものを目指して行きたい。とにかく複雑なことを考えず、難しくなく、検討をするためだけの模造品を作っていきたい。
これを続けることで、仕事で持ってるような生産力が、趣味でもいつでも行使できるようになると良いなと思う。そうなれば、はるか昔に諦めた小説家の夢だって、案外手の届くところにあるかもしれない。ないかもしれないけど。



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