で、AmazonはFire TV Stickというものを作ったわけです。
Amazon版Chromecast? かというと、全然違う。
Chromecastではない
Chromecastとは違うものである。
Chromecastってのは、PCとか携帯端末で見ているものを、でっかいディスプレイであるテレビに映すためのものです。なので、それ自体はメニューとかを持っていないし、拡張機能やスマホのアプリ、あるいは各Webサービス側から利用できる機能こそがその中心である。
Chromecastの目指すところは明確で、それぞれ端末を持っているような現代の環境で、メインの大きなテレビだけが孤立しているので、それもネット側に引っ張ってきてしまおうということだ。そうして、個別の小さな端末から、大きな画面でみんなで楽しもうとするためのものである。
それはどちらかというと、ネットをバリバリ使いこなしている層のためのもので、そもそも家にPCやスマホがボコボコあることを想定していて、なおかつそれからテレビに映像を飛ばしたいと考えるような、ネット動画なんかのヘビーユーザーが買うための商品であると思われる。
Fire TV Stickはどうか?
Fire TV Stickは普通の動画サイトは当然としても、PrimeビデオのWebサイトからすら直接テレビに飛ばすことすらできない。スマホアプリがあるからそれで選んで見られるかと思ったら、このアプリは完全にソフトリモコンでしかなかった。上の写真に映ってるリモコンの代わりになる機能がついてるだけのアプリである。ネット機能付きのテレビの、ネット機能だけを後付けするような商品というとわかりやすいと思う。
なので、最初に使った時、あれ、なんかイカさない商品じゃねって感じだった。
動画を見るにはいちいち、テレビ上のメニューを上のリモコンでぽちぽちやって探さなきゃならない。それをやっている間、家族は待ちぼうけだ。私が「えー、ウ、ウはどこだ?ウサ、あ、間違えた」とかやってるのを家族みんなで見ていることになる。イカさない。
プライムユーザーだから¥3,000引きだったけど要らないもの買っちゃったなあ、って感じだった。ただ、一日経って、3歳の子どもが自分で操作してウサビッチを視聴しているのを見て、考えなおした。これはそもそもターゲット層がまったく違う商品なのだ。これはネット上のサービスを拡張するものではなくて、ネットをさほど使いこなせないような層にも、ネット上でやっている便利な動画サービスを使ってもらおうというものなのだ。
リモコンは使いやすいし、ぱっと起動して、おすすめの動画を見るような単純な使い方なら、3歳の子どもにだって使える。またKindleなんかと同じで買った時点でアカウントと紐付けされているので、Wifiにさえ接続すれば有料コンテンツをいきなり買うこともできる。ボタンの押し心地も良いし、さらに動画の配信が早くてスムーズなのも嬉しい。
また他の動画配信系サービス(Netflix、Hulu、Youtube、ニコニコ動画)もひととおり使える。
まとめ
というわけで、個人的には案外悪くないかもなという印象。値引き無しの¥5,000近くで買うかと言うとちょっと悩むけど、¥2,000なら買っても良いかと思う。実は動画サイトを利用する機能って実は最近のゲーム機だと搭載していて(当然うちにもある)、さほどいい印象も持っていなかったのだけど、専用機として使いやすいリモコンとクイックな使用感があるとずいぶん印象が違うものだなと思った。プライム会員で、プライムビデオをでかい画面で見たいと考えるなら買っても良いのではないだろうか。
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