ばかおもちゃ本店:Youtube twitter:@sashimizakana Amazon.co.jpアソシエイト

2012年11月7日水曜日

テスターを買うべきなのである


八年過ごした築四十年の借家を出て、更に古い家に引っ越す予定。
大量にある工具や電子工作の部品、そして本、本、本の山をひたすら箱詰めする日々。
自分の記憶にはないが、どうも他の部品に先駆けて、テスターもしまいこんでしまったらしい。ちょっとソーラーパネルと電気二重層コンデンサを使った工作でもしようかと思ったら、どこを見回してもふたつあるはずのテスターが見当たらない。
ふたつあるんだから、ひとつくらいしまわずに残しておいたら良さそうなのに、私にはどうやらそういう機転が無かった。そんなわけで、もう何をしようにも自分が作った回路がちゃんと動いているのか、動いていないとしたらどこが悪いのか調べる術がない。
いや実際には気合いと根性があればできるのだろうけど、テスターなしで電子工作をするのは、全くボディランゲージすら通じない宇宙のどこかで買い物をするようなものだ。お金を差し出して、運良く相手が品物を出してくれれば良いが、そうでなければもうどうしようもない。


そんなわけで、電子工作を始める上では、何をおいてもまずテスターを買うべきだ。
テスターは目に見えない電気を見えるようにしてくれる。
まずは家にあるならそれで良いし、近くのホームセンターで安いならそれでいい。 自分で買うなら、同じ値段ならデジタルよりアナログのが好きとかいうこともあるが、基本的には一番安い値段帯のものでも、全くないよりは遙かに良い。

テスターにはつまみの合わせる場所や、目盛りが沢山ついていて悩むことだろうと思うが、まずは直流の電圧(DCと書いてあったり、波線じゃない方のV)と抵抗(Ω)だけ覚えれば良い。意味が分かるまでAに合わせてはいけない。テスターが壊れるのはたいていAのレンジに合わせたときだ(本当に)。電圧は計る対象の電圧より大きく設定して、黒い棒を電源のマイナスのすぐそばに、赤い棒をちゃんと電圧が来ているか知りたい場所にあてる。
電気が来ていれば電圧が表示される。
抵抗はもちろん抵抗の大きさを測れるが、導通やショートのチェックに使うことが多い。
抵抗のレンジに合わせると、まずは針が振り切れたり、メーターの値が最大になったりするが、これは赤い棒と黒い棒の間に空間があって、電気が非常に流れにくいからだ。雷とかじゃないと無理なくらいに流れにくい。端的に流れないと言えるレベルだ。
次に赤い棒と黒い棒を直接触れさせる、そうすると抵抗は0かそれに近くなる。
これは非常に電気が流れやすいからそうなる。

※テスターをしまってしまったので図解でお送りしております。

これを利用して、つながっている必要のある場所を抵抗のレンジで触れて、数値が下がればそこはちゃんとつながっているし、数値が下がらなければどこかで断線している。逆に本当はつながっていないはずの回路を触れて数値が下がらなければ、ショートしていないことが確認できる。抵抗の値が低下してしまったなら、その回路はどこかでうっかりつながっている。

高校時代、肉屋でバイトをしていた時、60歳の職人にも言われた。
 「ええか、みいんな裏でつながっとんねん。下手に信用して、他人の悪口なんかいいなや」

※イメージ図

そういうわけだ。
回路ができたあとに適当に電気を流したら、うっかりつながっていて壊れるのは珍しくない。
最低限、壊れそうな箇所だけはちゃんと確認が必要だ。
もちろん不用意な悪口も言うべきじゃない。



そういえば高校時代から十年弱してから役に立ったが、失業したとき職業訓練を受けるとすぐ失業給付金がもらえると教えてくれたのはこの人だった。ガタイが大きく気むずかしい熊という風情の人だったが、どういうわけか良くしてくれて、私もこの人が好きだったように思う。
それがもう十五年近くも前の話だ。

きっと時間の経過というのは、人に正しく把握できないようにできている。

(STRAIGHT/ストレート) アナログテスター 15-360
(TOOL COMPANY STRAIGHT) ツールカンパニーストレート
売り上げランキング: 813


MAS830L 高精度 デジタルマルチテスター
TOWATECH
売り上げランキング: 2