ただそれを感じないことは不便がないからではなく、自分の感性が鈍いからかもしれない。そしてその鈍さのせいで自然と自分の行動が制限されているということもあるかもしれない。何かをするときの手触りというのはそのすべてを含めているのだろう。たとえば魚料理が好きかどうかには魚の食いやすさとか骨の喉に引っかかる危険性なんかも含まれている。だから魚が嫌いという人でも身をほぐしたものなら食べるかもしれない。
なんの話かというと、ゼロール社というところのアイスクリームをすくう奴を買った話だ。
どういうものかというと、普通のアイスクリームすくう奴よりちょこっと高い分、すくいやすいというものだ。硬いアイスでもすんなりすくうことが出来る。プリンのように! とか言うと言い過ぎだけど、冷凍庫から出した瞬間でも、ちょっと柔らかくなるまで待ったアイスのようにすくえる。¥2,500円くらいする。
前まではこんな感じの普通のを使っていた。これが1,000円くらいだったので、都合ゼロール社のやつは2.5倍くらい高い。
そんなもん要るか? そう思った人もいるだろうけど、私もそう思う。
でも、これが案外、買ってみるとその便利さに驚いた。というかそこにそんなに不便があると思ってもいなかった。今のアイスクリームすくう奴でも全然満足していたし、使いにくいなんて思ったこともなかったのに、そこが改善されることで、一気にアイスまでの距離が近づいた。
妻は大きな箱に入ったすくうアイスが好きで、夏の間はよく冷凍庫に入れてある。
しかし自分は大箱のアイスだと、ちょっと小腹を空かして冷凍庫を覗いても食べずにいることがしばしばあった。それはあまり自分がこういうアイスを好まないからだと思っていたのだけど、どうやら違ったらしい。
ほぼ何の苦労もなくアイスがすくえるようになると、大箱のアイスを食うというのが全然有りだと思えてくる。冒頭の魚のたとえみたいに自分にとっての、大箱のアイスを好きじゃ無いという感覚は、(自分でも気づいていなかったけど)アイスがすくいにくいし面倒くさいという気持ちによって形成されていたのだ。
これはまったくもって良くないことである。
なんせ、アイスをすごい食べてしまう。
大箱の三色アイスを食べるときでも、今までは他の色も食いたいけどすくうの面倒だしチョコだけにしておこう、とか自然と考えていたのだと気づかされた。今は、ピンクのとバニラのも相盛りにして食べちゃおう、なんてやっている。まったくこれは恐ろしい。
電気ケトルなんかも、そういう自分で不便と思っていないものが便利になってすごい良かったなと思うものの一つだ。水なんてやかんで沸かせば良いだろうという意見に反論する気は無いし、電気ポット使えば良いというのもその通りだと思うんだけど、使ってみると水を入れてボタン押したら勝手に沸いて電源が切れるのがすごい手軽なのだ。
ついついカップ麺食う率が上がってしまう。
もうおやつ代わりである。太る一方だ。
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