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2017年4月16日日曜日

細々とやっていける



前にも書いたかもだけど、ある程度大人になったからかもしれないけど、そんなにたくさんの人に見てもらいたいという強い欲求は消えた。うまくやろうとか、センスを見せつけたいとか、人気ものになりたいとか、自分の作ったものの品質や反応への欲求というのは、もとからそこまで強い方ではなかったと思うが、今や殆ど感じない。あってもよいが、なくてもほとんど何にも影響しない。
私は割と具体的に、自分の友達や家族に動画を見てもらいたいなと考えていて、それから顔は見えないけれど、なんとなく私の作るものを好きでいてくれている少数の人に向けて動画なんかを撮っている。何十回か動画が再生されて、いくつか良いねが付くと、それで満足だ。その点で言えば、毎回それなりに目的を達成できている。

若い頃は、自分の作っているものとか、やっていることとか、受けている評価なんてものを、どのように考えれば良いのか、どんな風に感じれば良いのかということが少しもわからなかった。おそらくそれは、たとえば今の自分が過去に戻って言ってやったとしても、やはり分からないことなのではないかと思う。あるいはそれは、いつだってそのように言っている人が居て、陳腐な理屈だった。しかし、結局その普通で、面白みのないことが平凡な自分にとっては身の丈にあったことだったのかなと思う。

自分の手元にあるものを、まともに好きであれば良いというだけだ。自分のポケットに入っているホコリくらいの個性を、人より決して多くない能力を、出会って好きになった人々を、不思議と自分を気にかけてくれる人を、ものすごく大事なもののように思って生きていくことだ。そうすれば、自分がちょっと思いついただけのことも、宝物のような気がするし、中年の自分が喋っているだけの動画でも、なかなか面白く出来たじゃねえかとか思えるようになる。