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2015年9月6日日曜日

俺の料理風経営シム / Cook, Serve, Delicious!

PS時代というのはまだまだ家庭用ゲーム機というのがまともに流行っていた時代で、変なゲームも多かった。でも私は変なゲームが好きだ。無難に普通の面白いくらいなら、多少つまらなくたって企画を間違えた感のあるゲームの方が楽しい。

俺の料理は面白くて、それでいてちょっと変でなかなか良いゲームだ。



販売がSCEなので、おそらく当時新しかったアナログパッドを活用するとかそういう企画から始まっているのではないかと思うけど、内容は料理店を舞台にしたアクションパズルとでもいう感じのものだ。おそらく客の料理の注文をさばくゲームというのはコレ以前にもあるのだけど、このゲームが新しいのはたいてい注文を記憶するとか待機時間のマネジメントが中心になるその系統のゲームを、複数のちょっとしたアクションのミニゲームで置き換えてある部分だ。
めんどうくさい記憶を使う部分はすっぱり落として、単調な作業の継続にになることを避けるため複数の注文をまとめたり、グルメの来訪など、飽きない工夫が散りばめられている。グルメの食事をものすごく丁寧につくって、あとの同注文を超手抜きしてまとめ、高得点を獲得しつつ注文を大量に捌けたりするとたいそう気持ちいい。見た目はキワモノだがものすごくよく考えてあり、触っていて楽しいゲームだ。



それからだいぶ年月が過ぎたが、キワモノゲームはやはりキワモノであって、なかなか同じようなゲームをやりたくってもの後続がないなーと思っていたところに現れたのがSTEAMのCook, Serve, Delicious!である。



ちなみに料理をごく簡単な手順だけで作る部分のみで言えば、クッキングママなんかも同系統な気がするが、これは別に料理ゲーをつくろうと思えば自然とこんな感じになるだろうし、そもそもゲーム的な快楽の所在がまるっきり違うので勘定に入れない。俺の料理はあくまで、単純作業をすばやくこなすことが楽しいのであり、クッキングママはごっこ遊びの楽しさである。その点、Cook, Serve, Delicious!の気持ちよさはやはり単純作業をこなすところであり、ついでに言うとインターフェースの見た目とかから感じても、あきらかに俺の料理の影響下にある。



見てのとおり、左上側に出ているのが料理であって、これが時間切れに向かって左側に移動していく。調理工程を一段階進めると時間が戻ったり、調理以外の「害虫駆除」とか「トイレの掃除」みたいな雑用が邪魔してくるのも同じだし、コンセプトが同じとかじゃなくて、システムの基本は同じである。



ただ複数注文やグルメの来訪はなく、またグラフィックも見てのとおり手書き同人ゲーム感丸出しのもので俺の料理よりむしろ退化している。アクション部もアナログパッドをがちゃがちゃやるのではなく、基本的には下に書いてあるレシピどおりに操作するだけである。たとえば上図なら、まずカップサイズをラージにして(A,A)、お茶を選び(→)、注ぎ(↓)、終了する(LB)というような感じだ。

ではこれは単純に俺の料理を単純にしてしょぼくしただけのものなのかというとそんなことはない。Cook, Serve, Delicious!は俺の料理のゲームとしての基本をある程度応用して、また別の面白さを作り出している。このゲームには俺の料理と違って、経営シムの側面がある。

Cook, Serve, Delicious!は日々レストランを経営して、収益を上げて、メニューを増やし、料理をアップグレードして、調理器具を増やしていく。俺の料理は面をクリアしたらおしまいだが、こちらはその結果が良いほど収益も上がるので、また違った楽しみがある。ちょっとずつ自分のレストランが豪華になっていき、料理が複雑で収益性の高いものに置き換わっていくと嬉しい。




そもそも俺の料理より単純であるのも、面をクリア型ではなく、何十回もやり続ける作業であるからではないかと感じる。総じて、計算して、色々なバランスや手触りを変えて、俺の料理とは違った面白さに置き換えてられているという感触だ。

俺の料理も含めて、ちょっと変わった面白い小品をやってみたいならおすすめだ。





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